大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)1270 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人Aの弁護人原総司の上告趣意について。

所論は刑訴四〇五条の上告理由はないというのであつて、適法な上告理由となら

ない。

被告人Bの弁護人堀内清寿の上告趣意について。

所論は単なる刑訴法違反の主張であつて適法な上告理由とならない(原判決は所

論の控訴趣意三についても判断を与えているのであるから、判断遺脱の違法はない)。

被告人Bの上告趣意について。

論旨の中先ず憲法三八条二項違反を主張する点について判断すれば、所論Cの検

察官に対する供述調書は第一審判決において罪証に供されていないのであるからこ

の点に関する憲法違反の主張は前提を欠き失当である。また所論Dの検察官(並び

に検察事務官)に対する各自白は、同人に対する勾留当日から勾留後二二日目迄の

間になされたものであるが、原判決認定の本件捜査の経緯に徴すれば、その最終の

ものであつても憲法同条項にいわゆる不当長期勾禁後の自白にあたらないことは、

当裁判所屡次の判例に徴し明らかである(昭和二二年(れ)三〇号同二三年二月六

日大法廷判決参照)。のみならず第一審公判廷において各弁護人はこれを証拠とす

ることに同意している。してみればこの点に関する原判決の判断は相当であつて論

旨の理由のないことは明らかである。

次に憲法三七条二項違反を主張する論旨について判断すれば、憲法同条項は裁判

所において被告人の申請にかゝる証人の総てを取調べなければならないという義務

があるものではなく、裁判所がその必要を認めて尋問を許可した証人に限られる法

意であることは既に大法廷判決の示すところである(昭和二三年(れ)八八号同二

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三年六月二三日判決参照)。従つて、第一審において所論被告人申請にかゝる証人

を取り調べなかつたからといつて、毫も憲法同条項に違反するものでないから論旨

の理由のないことは明らかである。その余の論旨は単なる法令違反、事実誤認又は

量刑不当の主張に帰し適法な上告理由とならない。

なお記録を精査しても刑訴四一一条に該当する事由はない。

よつて、同四〇八条により全裁判官一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二八年四月二八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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